ChatGPTとは何か?プログラミングやライティングすらこなすAIによって無限に広がる可能性!
ChatGPTとは何か、そして何故それほどまでに注目を集めているのか、検索エンジンが登場して以来最も重要なツールになるかもしれないと言われているChatGPTについて説明していきます。
ChatGPT とは、簡単に言えば複雑な質問に会話形式で答える長文質問応答AIです。
いわゆる「自然言語処理」や「自然言語生成モデル」と呼ばれる技術を更に進化させたAIで、人間が質問したときの意味を学習するように訓練されています。
実際に使ってみると、SiriやGoogleアシスタントとやってくれること自体はほとんど変わりませんが、驚くべきはその性能にあります。
まるで人間と会話しているように自然な文章で返してくれるため、いずれは人間とコンピュータの関わり方を変え、情報の取得方法を変える力を持つかもしれないと感じさせる、それがChatGPTです。
ChatGPTで出来ることとは?
ChatGPTについて解説をする前に、まずはChatGPTによって何が出来るようになるのか、ChatGPTによって本当に社会が変革をする可能性があるのか見ていきましょう。
プログラミング
ここではプログラミングとして記載しますが、ChatGPTがカバーできる範囲はGoogleスプレッドシートの「Google Apps Script(GAS)」やExcelの「関数」や「マクロ」なども該当します。
例えば、ChatGPTに「Excelで今期の売上を計算する方法を教えて」などと聞けば、それだけで必要な関数やマクロを調べることが出来るため、ブラウザで調べていた人にとってはより素早く正解に行きつくことに期待が持てます。
更に言えば、より高度な知識が必要なプログラミング、例えば「C言語でダブルポインタのサンプルコードを教えて」や「C#でマルチスレッドのプログラミングをするには?」などよりディープな質問をしてもサンプルコードを教えてくれます。
言語の幅が人の会話だけでなく、プログラミングにまで及ぶというのは非常に画期的ではないでしょうか?ひょっとしたら、簡単なプログラミングなどで稼いでいた方にとってはかなり厳しい時代が訪れるかもしれません。
SEO対策(タイトル作成・ライティング)
文章を自動で生成してくれるというところから考え、実は最も効果的であると言われているのがSEO対策です。
例えば、ChatGPTに「Googleで「SEO」と検索した場合に上位表示出来る記事の見出しを教えて」などと入力すれば、さも完成された見出しが書き込まれていきます。
更に、「SEOの仕組みと効果的な手法」とは?のように記事の見出しからより具体的に深堀していくことも可能で、あたかも人間が書いたような文章を作成してくれることが分かるのではないでしょうか?
情報検索
これまで「情報検索と言えば検索エンジンが一強」という時代が長く続いており、その最先端を走っていたのがGoogleでしょう。しかし、ChatGPTがあれば自然な会話の中で知りたい情報にたどり着くことが出来るかもしれません。
例えば、「川崎市でおすすめの釣り場を教えて」と入力すれば、すぐに検索結果を返してくれました。それこそ日本全国に数ある釣り場の中から、正確に「川崎市」という情報でスクリーニングをかけ、釣り場と思しき回答を返してくれています。
しかし、実はここにChatGPTが抱える大きな問題があります。
ChatGPTの問題点とは?
ChatGPTが教えてくれる内容は「必ずしも正解ではない」という大前提を知っておいていただきたいです。
その理由としては、ChatGPTが参照している内容は「Webに記載のある内容をそれっぽくまとめている」ように見受けられ、その真偽のほどは確かではありませんでした。
先ほどの例で言えば、「川崎市でおすすめの釣り場を教えて」と入力した際、本来であれば「多摩川」「東扇島西公園」「浮島つり園(現在は閉鎖中)」「川崎新堤」「FISH ON! 王禅寺」などがあるところ、ありもしない地名や良く分からない河川の名前が出るなど、これでは正直なところ使い物にならないというのが感想です。
しかし、ChatGPTはまだ登場したばかりのサービスであり、今後AIの学習が進めば相当使えるサービスになるかもしれないと感じさせてくれます。
現時点ではそんなレベルでも、かつてYahooからGoogleへ検索エンジンが移り変わっていったように、数年後には検索ブラウザからChatGPTに移行するユーザーが出てきても何ら不思議ではありません。
そういった可能性も含め、「今後に期待」というスタンスが現状いいのではないでしょうか?
ChatGPTは無料で使えるのか?
ChatGPTの利用は、現在「研究プレビュー」期間中のため無料です。
AIがより良い回答ができるように、また失敗から学ぶために、現在、ユーザーに試用と回答へのフィードバックを開放しています。
公式発表では、OpenAIは間違いについてのフィードバックを受けることを熱望していると述べられているため、是非成長を促したいところではあります。しかし、成長させた先に“有料化”が待っているのであれば、使ってもしょうがないというのが本音です。
“不適切な要求を拒否させるよう努力していますが、有害な指示に反応したり、偏った挙動を示したりすることがあります。
私たちはModeration APIを使って、ある種の危険なコンテンツを警告したりブロックしたりしていますが、当面は誤った否定や肯定をすることが予想されます。
私たちは、このシステムを改善するための継続的な作業に役立てるために、ユーザーのフィードバックを集めたいと考えています。”
これに対し、$500のAPI利用クレジットを獲得するチャンスがあるとの情報もみてはいますが、それにしても費用対効果が薄いため現状はちょっと使って楽しんでみるくらいをおすすめします。
ChatGPTは日本語に対応しているのか?
ChatGPTは日本語に対応しているのか聞かれましたが、日本語に対応しているため安心して利用していただけます。
しかし、使ってみた印象としては英語で入力できるなら英語で入力した方が正確な情報を引き出せるように感じました。
もちろん、この辺りもどんどんアップデートされていくはずですから、どのように変わるのか無料期間の範囲で定期的に試してみたいと思います。
ChatGPTとは?
ChatGPTは、OpenAIがGPT-3.5をベースに開発した大規模言語モデルチャットボットです。会話形式の対話が可能で、驚くほど人間に近い応答をすることができるのが特徴です。
大規模言語モデルは、一連の単語の中から次の単語を予測するタスクを実行します。
人間フィードバック付き強化学習(RLHF)は、ChatGPTが指示に従い、人間が満足する応答を生成する能力を学習するために、人間のフィードバックを使用する追加の学習レイヤーです。
ChatGPTの開発元とは?
ChatGPTは、サンフランシスコに拠点を置くAI研究組織OpenAIによって作られました。OpenAIは、非営利目的の企業ではあるものの、傘下には営利企業であるOpenAI LPという企業もあります。
元々、OpenAIはプロンプトと呼ばれるテキスト指示から画像を生成するディープラーニングモデル「DALL-E」の開発元として有名な企業であり、CEOはY Combinatorの社長を務めたこともあるSam Altman氏です。
このOpenAIにどれほどの魅力があるかと言えば、あのマイクロソフトが10億ドルという金額を出資するほど今話題になっているのです。更に、マイクロソフトとは非常に良好な関係にあるようで、Azure AI Platformを共同開発したとの発表もあります。
大規模言語モデル(Large Language Model)
ChatGPTはLarge Language Model(LLM)と呼ばれる概念の一つで、GPT-3をベースに開発されています。(GPT-3とは、2020年7月にOpenAIが発表したLLMのこと)
LLMとは、文中の単語を正確に読み解くために、膨大な量のデータをAIに学習しておくことで動作する仕組みで、データ量を増やせば増やすほど、自然言語処理能力が向上することが分かっています。
スタンフォード大学によると
「GPT-3は1750億のパラメータを持ち、570GByteのテキストで学習させた。ちなみに前身のGPT-2は15億パラメータで、100倍以上になっている。」
とのことで、GPT-3がこのレベルで拡張されたことによって、機能も劇的に変化しています。例えば、GPT-3だとほとんど日本語を学習していない状態でも、英語から日本語へ翻訳出来るなど、予め学習させていない言葉ですら言語処理をすることが出来るようになりました。
この機能はデータ量が少なかったGPT-2ではほとんどできなかったものです。さらに、GPT-3のその精度は、GPT-2で明示的に学習されたモデルを上回ることもあり、今後の活用に期待が持てます。
LLMは、文中の一連の単語と次の文を予測する、オートコンプリート機能のようなものですが、気の遠くなるようなスケールで設計されているということがご理解いただけたかと思います。
しかし、LLMは、人間が何を望んでいることを必ずしも正確に理解することができないという点で限界があります。そこでChatGPTは、前述の「人間フィードバック付き強化学習(RLHF)」トレーニングによって、最先端の技術を向上させました。
注意点にも挙げた「正確ではない情報」という部分を、人間がフィードバックすることにより正しくしていくというのは、非常に画期的であると言えるでしょう。
ChatGPTをどのように訓練するか?
2022年3月に発表された『Training Language Models to Follow Instructions with Human Feedback』という研究論文では、なぜこの方法が画期的なのかが説明されていました。
掲載されていた内容を直訳すると以下のような意味になります。
この研究は、与えられた人間のセットが行うことを行うためにそれらを訓練することによって、大規模な言語モデルの肯定的な影響を増加させるという我々の目的によって動機づけられています。
言語モデルはデフォルトで次の単語予測の目標を最適化するが、これは我々がこれらのモデルにさせたいことの代理に過ぎない。
この結果は、私たちの技術が、言語モデルをより有用で、真実で、無害なものにするための有望な手段であることを示しています。
つまり、言語モデルを大きくしたからといって、ユーザーの意図を汲み取る能力が高くなるとは限りません。
例えば、大きな言語モデルは、真実味のない、有害な、あるいは単にユーザーに役立たない出力を生成することがあります。
言い換えれば、これらのモデルはユーザーと一致していないのです。
つまるところ、彼らも今のChatGPTは成長過程ではあるものの、成長させる上で重要なことが単純に言葉を増やせばいいという訳ではないことを理解しています。
だからこそ、ChatGPTを構築したエンジニアは、GPT-3と新しいInstructGPT(ChatGPTの「兄弟モデル」)の2つのシステムの出力を評価するベンダーを新たに雇い、次のような結論に達しました。
ベンダーは、GPT-3の出力結果よりもInstructGPTの出力結果の方が上だと判断した。何故なら、InstructGPTのモデルはGPT-3よりも真実性が向上しているためだ。しかし、InstructGPTはGPT-3よりも誤情報においてわずかな改善を示しているが、それほど偏りは示していない。
研究論文では、InstructGPTの結果はポジティブであったと結論付けています。それでも、改善の余地があることも指摘しています。
全体として、我々の結果は、人間の好みを使って大規模な言語モデルを微調整することで、幅広いタスクでの挙動が大幅に改善されることを示していますが、その安全性と信頼性を高めるためには多くの作業が残っています。
ChatGPTが単なるチャットボットと異なるのは、質問に込められた人間の意図を理解し、親切で真実味のある無害な回答をするよう特別に訓練されていることにあります。
その訓練を受けているため、ChatGPTは特定の質問に挑戦し、意味のない部分を破棄することがあります。
ChatGPTに関連する別の研究論文では、人間が好むものを予測するためにAIをどのように訓練したかが示されています。
研究者は、自然言語処理AIの出力を評価するために使用されるメトリクスが、メトリクスでは高得点を獲得するものの、人間が期待するものと一致しないマシンを生み出すことに気づきました。
研究者たちは、この問題を次のように説明しています。
多くの機械学習アプリケーションは、設計者が意図したことの大まかな代用に過ぎない単純な指標を最適化しています。これは、YouTubeのレコメンデーションがクリックベイトを促進するような問題につながる可能性があります。
そこで彼らが設計した解決策は、人間が好むものに最適化された答えを出力できるAIを作ることでした。
そのために、人間が異なる答えを比較したデータセットを使ってAIを訓練し、人間が満足できる答えと判断したものを機械が予測する能力を高めたのです。
論文では、Redditの投稿を要約することで学習を行い、ニュースを要約するテストも行ったと紹介しています。
2022年2月の研究論文は、「Learning to Summarize from Human Feedback(人間のフィードバックから要約することを学ぶ)」と呼ばれており、研究者は次のように書いています。
この仕事では、人間の好みに最適化するモデルを訓練することで、要約の品質を大幅に向上させることが可能であることを示す。
要約間の人間による比較の大規模で高品質なデータセットを収集し、人間が好む要約を予測するモデルを訓練し、そのモデルを使用して、強化学習を使用して要約ポリシーを微調整します。
こうした取り組みによって今後どのような変化をするか全く未知のChatGPT。今なら無料で使えるため、この未知の技術に触れてみてはいかがでしょうか?
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