【DXの成功事例】人と直接会わずに商品や荷物を受け渡す方法とは?スマートロッカーは無限の可能性を持つ!
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、WHO(世界保健機関)が「パンデミック」と言うほどに世界中で猛威をふるい、日本でも生活や経済活動にも大きな影響を与えました。
そうした中で、これまで多くの企業が採用していた人と直接会って経済活動を行う「対面型」の営業スタイルから、人と直接会わずに経済活動を行う「非対面型」へシフトしていったことは記憶に新しいことでしょう。
【課題】対面型と非対面型の営業スタイルの違いによるメリット・デメリットとは?
まず、対面型と非対面型の営業スタイルによるメリット・デメリットについて共通認識を持つため、それぞれの特徴について理解しておきましょう。
対面型の特徴
- 営業時間や移動など、とにかく時間の制約が大きい。
- 必ず人が関与する必要があるため、人件費がかかり過ぎる上に、ヒューマンエラーのリスクがある。
- しかし、高度な意思疎通が必要な場面や、おもてなしの心など、直接伝えることが効果のある場面では有効。
非対面型の特徴
- 時間の縛りが無くなるため、好きな時間に行動がしやすい。
- 自動化することで、人件費を削減することが出来る上、ミスが発生し辛い。
- 意思疎通を図る上では、伝わり辛い・伝わらないことも多々ある。特にジェスチャーや実物を見せる必要がある場合にはあまり向いていない。
この様な特徴があるとは言え、観光業界や小売業界などに代表されるような「店舗型ビジネス」では、非対面型の営業スタイルにシフトする動きが難しいのも事実です。
例えば、ホテルなどの宿泊施設を例にすると、多くの店舗がルームキーの受け渡しなどを対面型で行っています。レンタカー業界を例にすれば車の鍵や車自体、物流業界を例にすれば荷物や商品の受け渡しなど、ほとんどの店舗や企業が対面型で行っているのは間違いありません。
こうした事例から考えると、荷物や鍵、商品など「高価なもの」や「貴重品」の受け渡しを行う業界では、従来通り対面型の営業スタイルを続ける必要があるように感じてしまいます。
しかし「この課題に見合うようなソリューションが本当にないか?」と言われれば、答えは「解決することが出来る」のです。
【解決策】商品や荷物、鍵などの受け渡しをするのであればスマートロッカーを活用する
結論、ロッカーがあれば商品や荷物、鍵などの受け渡しを「非対面」で行うことが出来ます。
ロッカーや金庫と言えば、学校やオフィスなど様々な場所にある「ダイヤル式で番号を入力する」か「鍵を使って開くもの」をイメージすると思いますが、実際にやりたいことで言えばこれを使ってでも出来ます。
しかし、この様なタイプのロッカーでこの課題を完全に対処しきるのは無理があります。何故なら、この様なロッカーのことをストレージロッカーなどと言いますが、ストレージロッカーが持つ役割はあくまでもただの「貴重品を入れる箱」でしかないからです。
先ほど挙げたホテルを例にすると、ダイヤル式ロッカーの番号を事前にお客様へ連絡し、当日来館された時にルームキーをロッカーから取り出すような流れになります。しかし、現実的にはダイヤルの番号が流出してしまうなどのリスクがあり、これを解決しようとすれば、次は不要な工数が発生するなど中々解決には至りません。
そこで、本質的な課題が「ただお客様に貴重品を渡すこと」ではなく、「中身を管理出来る箱で貴重品を渡すこと」であり、この課題解決をするために新しく誕生したロッカーのことを「スマートロッカー」と呼びます。
では、スマートロッカーとは具体的にどのようなものを指すのでしょうか?
スマートロッカーとは、携帯電話キャリアのSIMやWi-Fiチップなどを搭載することでインターネット通信を可能にしたロッカーであり、お手持ちのスマートフォンなどから扉の開閉を行うことが出来るものです。更に、高度なものになると、箱の中で温度や湿度管理が出来る、想定外のものを入れるとアラートが鳴る、などニッチですが非常に利便性の高い使い方をすることが出来るものもあります。
>> スマートロッカーについての詳細が知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
しかし、これはあくまでも海外での話。日本国内ではそれほど多様な使われ方をしているとは言えませんが、スマートロッカーを活用してDXに成功している事例は少なからず存在しています。
現在日本で普及しているスマートロッカー3選
では、現在日本国内で普及しているスマートロッカーにはどういったものがあるのでしょうか?
1.Packcity Japan – PUDOステーションからオリジナルのスマートロッカーまで幅広い用途で使える!
Packcity Japanは、PUDOステーションで有名なスマートロッカーを開発した会社として知られていますが、PUDOステーションはクロネコヤマトの宅配便限定サービスです。
もしもオリジナルの用途で利用したい場合にはPackcityJapan単体での契約も出来ます。
2.KeyStation – 形状が自由かつこれからDXするには最適なスマートロッカー
KeyStationはKeeyls株式会社が提供するスマートロッカーで、卓上タイプからスタンドタイプまで幅広い形状を持ち、どんな事業者にも利用がしやすい特徴があります。
料金プランも購入からレンタルまで出来るため、DXのために導入を検討している企業にとっては是非おすすめしたい商品です。
3.KeyCafe – デザインのアレンジも自由自在!自社をPRしたいならおすすめ!
ブラウザやスマホから遠隔で鍵を管理することが出来ます。鍵のアクセス権は従業員、顧客、パートナーなどリアルタイムに変更することができます。
管理画面が非常に美しく使い勝手も抜群ですが、豊富なAPIもあるため自社のシステムに組み込むことで自由な使い方が出来るのも特徴です。
今後はより高度なスマートロッカーの登場にも期待したいところではありますが、今回ご紹介した商品だけでも色々な用途を考えることが出来ます!特に、温度変化などに強いもの(例えば、鍵や服、一部の薬など)であればその効果を最大限に発揮することが出来るでしょう。
更に言えば、スマートロッカー専用のテナントなどを活用した新しいビジネスの創出も出来るかもしれません。
スマートロッカーが持つメリットを理解し、自社にどのような活用が出来るのか考えてみましょう!
以下、前回もご紹介したスマートロッカーを導入した場合のメリットについてお話したいと思います。
1. 人件費の削減
スマートロッカーは、取引、入退室記録、レポート作成など、手作業で行っていた資産管理をすべて自動化します。これにより、資産の安全性を損なうことなく、スタッフはより生産的な業務に専念することができます。
社内情シスの様な立場の方や、契約発注業務を行っている方にとって資産管理は重要ですが面倒なもの。これに対して課題解決をリードするスマートロッカーの存在はこの上なく利便性が高いと言えるでしょう。
2. マクロマネジメント
マクロマネジメントとは、マイクロマネジメントの対極にあるもので、言ってみれば、効率的に仕事をする上で必要な資産をいつでも活用できるようにすることです。
例えば、スマートロッカーを活用することで、上司に毎回施錠や解錠などをしてもらうことなく、いつでも必要な資産を活用することが出来ます。もちろん、本人にとって必要でない資産には使用を制限する設定も出来るため、スマートロッカーによって自動的にセキュリティと効率化を促します。
3. 業務の改善
オフィスに配置するスマートロッカーは、機器を保護するだけではありません。センサーを活用したフィードバックとコミュニケーション機能により、まったく新しいワークフローを構築することができます。そのため、リーンマネジメント(プロセス管理)を徹底している企業にとっては、スマートロッカーで大きく業務改善が見込めるでしょう。
例えば、スマートロッカーを使用して電子機器を保管している企業であれば、スマートロッカーをメンテナンス用のロッカーとして活用することもあります。ノートパソコンやその他のデバイスを返却する際に修理が必要な場合、ユーザーは認証パネルで破損のフラグを立てメンテナンスロッカーに預けるだけで、技術者に問題報告用の自動メールを送信できるように設定することも出来ます。
4. 作業者の時間を節約
スマートロッカーは、従業員の1日を無駄にしかねない作業を自動化します。最も必要な場所に設置することで、従業員は必要な資産を利用するために機器管理者を探すような必要がありません。更に、ロッカーは数秒で認証することが出来る上に、箱の開け閉めから貴重品の持ち出しまで全ての行動を完全に記録することが出来ます。
5. 効率的な分散管理
スマートロッカーを活用することで、これまで一人で資産管理を行っていたところから、必要とする組織全体に分散して資産管理させることができます。これによって、例えば退職者が発生した場合に必要な資産をすぐに受け取ることが出来るようになります。他にも、機器の故障時には即座にアラートを出してくれるため、例え担当者が不在の場合でも別の従業員で代替できるよう促し、サービスの中断を最小限に抑えるなどにも活用することが出来るのです。
5. 資産損失の削減
スマートロッカーは、常にロギングしているため、ヒューマンエラーによるリスクがありません。例えば、コンテンツ監視により、ユーザーが正しいデバイスを返却したことを自動的に確認することができます。また、自動化されたロッカーは、ユーザーが時間通りにデバイスを返却していない場合、監督者にアラートを送信することができます。
6. コンプライアンスの遵守
コンプライアンス対象となる資産を管理する場合、スマートロッカーの自動レポート機能は、コンプライアンスを維持するために効率的な方法と言えます。多くの場合レポートはカスタマイズが可能で、正確なデータを即座に発見するのに役立ちます。また、カメラを内蔵したタイプのスマートロッカーであれば、異常な操作をした従業員の写真を記録し、責任を追及するなどにも役立ちます。
7. デバイスの使用状況をより正確に把握
RFIDタグなどによって、デバイスが「いつ」「どのように」使用されたか詳細に把握することができます。これによってパフォーマンスの傾向がわかり、より大規模なビジネス上の問題を特定することができます。つまり、スマートロッカーはビジネスにおいて貴重な気付きの源となるのです。
8. トラブルも問題なし
スマートロッカーは、人の出入りが多い職場や、非常時にも対応できるように設計されています。例えば、新規ユーザーの多くは、停電時に利用できるかどうか心配します。しかし、スマートロッカーは、バッテリーのバックアップによって、停電時でも使用することができます。
また、スマートロッカーは、権限を与えられたユーザーが遠隔で操作できる緊急解除機能を備えています。警察や救急隊など、迅速な対応が必要な組織で利用することができます。
また、スマートセーフティーロッカーは、PCやモバイル機器から権限を与えられたユーザーが起動できる緊急解除機能を備えています。警察や救急隊など、迅速な対応が必要な組織で利用することができます。
9. カスタマイズ性が高い
監視センサーと管理ソフトはメーカー毎によって様々ではありますが、実はかなり柔軟な機能を備えています。例えば、貴重品の管理であるセンサーを追加してもらいたい場合にも、メーカーがオールインワンでパッケージを提供しているため協力してもらうことが出来ます。また、APIを提供しているケースも多く、一部機能を流用する形で新しいソリューションを生み出すことも可能です。
まとめ
今回は多くの企業や自治体が抱えていそうな課題からスマートロッカーについて考えてみました。
こうした課題をお持ちであれば、是非スマートロッカーの導入を検討してみていただきたいところですが、日々の業務に追われている中でこうした企画を考えることは難しいのではないでしょうか?
そんな時には、経験豊富な弊社ITコンサルタントに是非ご相談ください!
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